Windows環境でのPlaywright & Claude MCP セットアップガイド
Windowsネイティブ環境でのセットアップガイド

インストールからClaude連携まで!
Playwrightは、Microsoftが開発したWebアプリケーションの自動テストツールです。Chromium、Firefox、WebKitの3つのブラウザエンジンをサポートし、クロスブラウザテストを効率的に実行できます。本記事では、Windows環境でのPlaywrightのセットアップとClaude MCPとの連携方法について詳しく解説します。
1. Playwrightとは
Playwrightの主な特徴
- クロスブラウザサポート: Chromium、Firefox、WebKitの3つのブラウザエンジンに対応
- 言語サポート: TypeScript、JavaScript、Python、Java、.NETをサポート
- 高速実行: 並列実行により高速なテスト実行が可能
- 信頼性の高い自動化: 要素が表示されるまで自動的に待機
- デバッグサポート: 豊富なデバッグ機能とトレース機能
- モバイルテスト: モバイルデバイスのエミュレーション機能
Playwrightを使うメリット
- 生産性の向上: 手動テストの自動化により開発効率が向上
- 品質向上: 継続的なテスト実行によりバグの早期発見が可能
- コスト削減: 回帰テストの自動化により長期的なコスト削減
- 信頼性: フレーキーテストが少なく、安定したテスト実行
- 包括的なテスト: 複数ブラウザでの動作確認が容易
Claude MCPとの連携メリット
- 自然言語でのブラウザ操作: 「ログインして商品を検索する」などの指示が可能
- 迅速なプロトタイピング: テストシナリオの素早い作成・検証
- 学習コストの削減: Playwright APIを覚える前から使用開始可能
- デバッグ支援: 問題発生時のスクリーンショットや詳細情報取得
2. Windows環境でのセットアップ
2.1 前提条件の確認
Windows環境でPlaywrightを使用するための前提条件:
- OS: Windows 10 以降
- Node.js: Version 18 以降(推奨: v22.x LTS)
- RAM: 最低4GB(推奨8GB以上)
- ディスク容量: 最低2GB(ブラウザバイナリ用)
2.2 現在の環境確認
まず、既存のNode.js環境を確認しましょう:
# Node.jsのバージョン確認 node --version # npmのバージョン確認 npm --version # 既存のグローバルパッケージ確認 npm list -g --depth=0
期待される出力例:
v22.14.0
10.9.2
2.3 Node.js環境の判定
✅ Node.js v18以降がインストール済みの場合(推奨)
現在の環境をそのまま活用してPlaywrightをセットアップできます。特にv22.x系の場合はLTS版なので最適です。
❌ Node.jsがインストールされていない、またはv18未満の場合
以下の方法でNode.js LTS版をインストールしてください:
方法1: 公式サイトからダウンロード(推奨)
- Node.js公式サイトにアクセス
- LTS版(Long Term Support)をダウンロード
- Windows Installer (.msi) - 64-bit を選択
- インストーラーを実行し、指示に従ってインストール
方法2: wingetを使用(Windows 10/11)
# PowerShellを管理者権限で実行 winget install OpenJS.NodeJS
方法3: Chocolateyを使用
# Chocolateyがインストールされている場合 choco install nodejs-lts
3. Claude MCPとの連携
3.1 MCP Playwrightサーバーのインストール
Claude MCPでPlaywrightを使用するためのサーバーをインストールします:
# Microsoft公式のPlaywright MCPサーバーをインストール npx @playwright/mcp@latest --help # または、ExecuteAutomation版を使用する場合 npm install -g @executeautomation/playwright-mcp-server
3.2 Claude Desktopの設定
Claude Desktopの設定ファイルを編集します:
Windows設定ファイルの場所:
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
設定内容(Microsoft公式版):
{ "mcpServers": { "playwright": { "command": "npx", "args": ["@playwright/mcp@latest"] } } }
設定内容(ExecuteAutomation版):
{ "mcpServers": { "playwright": { "command": "npx", "args": ["-y", "@executeautomation/playwright-mcp-server"] } } }
3.3 Playwrightブラウザのインストール
MCPサーバーでPlaywrightを使用するため、ブラウザバイナリをインストールします:
# Playwrightブラウザバイナリをインストール npx playwright install # システム依存関係のインストール(Windows 11では通常不要) npx playwright install-deps
3.4 Cursor での設定
Cursor:
- Cursor → Settings → MCP
- "Add new MCP Server" をクリック
- 以下を入力:
"mcpServers": { "playwright": { "command": "npx", "args": ["@playwright/mcp@latest"] } }
4. 基本動作の確認
4.1 Claude DesktopでのMCP確認
Claude Desktopを再起動後、以下で動作確認:
@playwright navigate to https://example.com
成功すると、ブラウザでページが開かれ、スクリーンショットが返されます。
4.2 基本的なPlaywright MCPコマンド
# ページにアクセス
@playwright navigate to https://playwright.dev
# 要素をクリック
@playwright click "Get started"
# テキストを入力
@playwright type "#search" "Playwright tutorial"
# スクリーンショットを撮影
@playwright screenshot
# ページ情報を取得
@playwright page info
4.3 動作確認テスト
実際にWebサイトにアクセスして操作してみましょう:
@playwright navigate to https://www.google.com
@playwright type "[name='q']" "Playwright testing"
@playwright press Enter
@playwright screenshot
4.4 トラブルシューティング
問題1: MCP接続エラー
# 解決策: Playwrightが正しくインストールされているか確認 npx playwright --version
問題2: ブラウザ起動エラー
# 解決策: ブラウザを再インストール npx playwright install --force
問題3: 権限エラー
# 解決策: PowerShellを管理者権限で実行 npx playwright install
5. 次のステップ
5.1 学習リソース
基本的なセットアップが完了したら、以下のリソースで学習を進めましょう:
5.2 発展的な使用法
- Page Object Model: 保守性の高いテストコード作成
- CI/CD連携: GitHub ActionsやAzure DevOpsとの統合
- カスタムフィクスチャ: プロジェクト固有の共通処理
- パフォーマンステスト: ページ読み込み時間の測定
- セキュリティテスト: XSS、CSRF対策の検証
5.3 プロジェクト開発の準備
本格的なテスト開発を始める場合は、以下を検討してください:
- プロジェクト固有のPlaywright環境構築
- TypeScriptでの型安全なテスト作成
- VSCode拡張機能を活用したデバッグ環境
- CI/CDパイプラインとの統合
5.4 関連記事
詳細なテスト実装については、続編記事「Windows環境でのPlaywright実践ガイド - VSCodeを使った自動テスト開発」をご参照ください。
まとめ
Windows環境でのPlaywrightとClaude MCPの連携セットアップについて解説しました。